任期満了に伴う沖縄県知事選挙(2022年8月25日告示、9月11日投開票)に現職の玉城デニー氏が再選を目指して立候補する意向を表明されていますので玉城氏に関する情報をまとめています。
玉城デニー氏の
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・経歴
・学歴
・ご家族
・年収
・実績や評判
・公約
・その他
などについて記事をまとめていこうと思います。
玉城デニー/沖縄県知事選挙の経歴や家族は?
名前 | 玉城デニー(たまきデニー)※本名:康裕(やすひろ) |
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生年月日 | 1959年10月13日 |
出身地 | 旧与那城村(現うるま市) |
最終学歴 | 上智社会福祉専門学校社会福祉主事専門課程卒業 |
職業(前職) | 沖縄県知事 |
趣味 | 映画鑑賞、バンド、読書、空手、時々釣り、他 |
玉城デニー氏は本名「康裕(やすひろ)」氏です。
知事業務上、法的効果を伴う行政文書には本名を使用されています。
お父様は、沖縄の米軍基地に駐留していた米兵でした。お母様は地元沖縄の方です。
お父様の母国であるアメリカに渡航することを前提に、デニス(Dennis)と名付けられました。
しかし結局、アメリカに渡航することはなく、本名は小学校4年生のときに家庭裁判所に申し出て、康裕(やすひろ)に改名されました。
デニー(Denny)は子供の頃からの愛称です。
沖縄本島中部太平洋岸の旧与那城村(現うるま市)出身。中学時代にはロックに目覚め、高校時代にはロックバンドも結成してボーカルを務めていました。
県立前原高等学校から、東京の上智社会福祉専門学校に進みます。
母子家庭に生まれて、いろんな人に助けられてきたため、「誰かの役に立てるような仕事をしたい」と、昼は仕事をしながら勉強を続けられていたそうです。
専門学校卒業後は沖縄に戻り、福祉職、内装業、音楽マネージャーなど、様々な現場を経験。やがて音楽への深い愛情と現場で培ったコミュニケーション力を生かせるラジオ・パーソナリティという仕事に出会い、並行してタレントとしても活動。司会業等もされていました。
タレント時代に『おちゃめのカンヅメ―琉球放送ラジオ ふれ愛パレット番外編』という本も出されています。
40代で沖縄の人気タレントとなっていた玉城氏は、2002年の沖縄市長選への立候補を促されます。
全くの政治の素人だった玉城氏にとって青天の霹靂だったようで、当時ラジオパーソナリティを務めていた琉球放送の職員に相談したところ、嗅ぎつけた新聞社に記事にされ、それが元で番組降板を余儀なくされてしまいました。
失意の中で一念発起し、2002年に沖縄市議会議員選挙に立候補したところ、2位に倍以上の差をつけてトップで当選します。
任期途中で市議を辞職して2005年に衆議院議員に立候補しますが落選。
2009年に当選して以後、4期連続で衆議院議員を務めました。ハーフの出自を持つ方が衆議院議員を務めたのは玉城氏が初めてだそうです。
2018年から現職の沖縄県知事選挙に米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設に反対した、翁長雄志(おながたけし)前知事の死去に伴う前回選に後継候補として出馬します。
革新系と保守系の一部が共闘する「オール沖縄」勢力の支援を受け、移設を推進する政府・自民党が支えた佐喜真氏を破って当選しました。
再選を目指す今回の選挙では、立憲民主党、れいわ新選組、社会民主党から推薦を受けています。
玉城デニー/沖縄県知事選挙の学歴は?
玉城デニー氏の学歴は、沖縄県立前原高等学校卒業、上智社会福祉専門学校社会福祉主事専門課程卒業です。
出身高校は?
沖縄県立前原高等学校は、沖縄県うるま市にある公立高等学校です。
1945年11月、戦後の混乱の時代に沖縄復興の人材育成の拠点として、前原地区に、いち早く新制高等学校として開校しました。
普通科高校ですが、1994年度からコース制を実施しています。また、各学年の文理コースには、早朝必修の特進クラスを設置しています。
専門科目の他にも生涯スポーツ(マリンスポーツ、スキーなど)を取り入れ、体育系・福祉系・教育系への進路を目指す。
2)英語コース(各1クラス)
英検等の受験を奨励して義務づけたり、海外研修を取り入れて更なる英語力の向上を目指している。英語系・国際系・教育系への進路を目指す。
3)文理コース(各6クラス)
文系、理系、その他の進路に応じた資格取得や選択授業を実施して、多様な生徒の進学ニーズに対応できるような教育課程を提供する。
クラブ活動が盛んで、野球部他、多くのクラブで全国大会への出場経験があります。
出身大学は?
上智社会福祉専門学校は、上智大学の設立者でもある学校法人上智学院により設立された私立学校です。
1963年に設立され、所在地は上智大学の四谷キャンパス(東京都千代田区)と同じであり、様々な形で大学と連携していたそうですが、2022年3月31日を以て閉校しました。
科は下表のとおりであったそうです。
・社会福祉士・児童指導員科
・介護福祉士科
・精神保健福祉士通信教育課程(短期)
成績優秀者を対象とした上智大学総合人間科学部社会福祉学科への推薦編入学制度もあったそうです。
(以上、Wikipediaから引用しました。)
玉城デニー/沖縄県知事選挙の家族は?
玉城デニー氏は自身の家族構成を、「妻、母、二男二女、猫、家守、他」と紹介しています。
玉城デニーの『家族』~保育士妻との間に息子2人と娘2人…父親は米国人のハーフ知事
玉城デニー/沖縄県知事選挙の年収は?
沖縄県庁のホームページ上に「沖縄県職員の給与・定員管理の状況」というデータが掲載されています。
最新データは2021年度分であり、24ページ目を見ると、下表の計算により、玉城デニー氏の知事としての年収は基本的には18,573,000円と推定できます。(通勤手当等を除く)
期末手当:1,230,000円/月 × 3.10か月 = 3,813,000円
ただ、今回は任期満了で更に退職金が支給され、その額は29,520,000円と計算できます。計算式は次のとおりです。
合計すると直近では48,093,000円だったと思われます。
玉城デニー/沖縄県知事選挙の実績や評判は?
玉城デニー氏は、2002年の沖縄市議会議員選挙に無所属で立候補し、定員30名で39名が立候補した中で、得票数で2位の候補者に倍以上の差をつけてのトップ当選しました。
また、2009年から4回連続で衆議院議員に当選。(小選挙区での当選3回。比例区での復活1回。)
2018年9月の沖縄県知事選挙では、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設に反対した、翁長雄志(おながたけし)前知事の死去に伴う前回選に後継候補として出馬。
革新系と保守系の一部が共闘する「オール沖縄」勢力の支援を受け、移設を推進する政府・自民党が支えた佐喜真氏を破って当選しました。
元々福祉の仕事をされていて、政界入りの直前には沖縄の人気タレントとなっていた背景も大きいと思われますが、現在に至るまで抜きんでた人気と人望の持ち主だったことがわかります。
知事としての政策と実績は、公式サイトの政策集のページに詳述されています。
次のとおりの公約を掲げ、「公約の実現率98.6%」等の自己評価をされています。
また、SDGsを柱とした新・沖縄21世紀ビジョン基本計画を策定しました。
➁子ども・若者・女性支援施策のさらなる充実
➂辺野古新基地建設反対・米軍基地問題
就学援助の拡充、給付型奨学金制度、中学校卒業までの医療費無料化、中高生バス無料化などを実現してきました。
一方で「公約達成率は1.7%に留まる。」等、自民党などからは批判の声があります。
<沖縄特集>コロナ禍、ワクチン接種低迷、県政不況、公約達成率1.7% 玉城知事は責任ある県政運営を 自民党会派
玉城氏が主張する「公約の実現率98.6%」とは、「達成済か実際に推進中のものが98.6%」ということでしょう。
達成済が1.7%は低いように思われますが、元々、首長は1期で理想を達成できることは稀と思われます。
また、今期はコロナ禍の事情や沖縄特有の問題がありました。
何より、対立する政党からの批判であることも割り引かいて考えねばならないでしょう。
沖縄というと、新型コロナウイルスの感染率が日本一になってしまっているのですが。
「検査回数が多いので、検出数も多い。」「那覇市の人口密度は福岡市や名古屋市よりも高い。そこに観光客など渡航者が重なり、さらに過密さが増す。」「移動人口が多い。」「高齢化率が低く若者人口が多い。」「有配偶率が低い。」「世代間交流が活発。」「在沖米軍における流行。」などの要因が重なっていて、どこまで玉城氏を責められるか微妙と思われます。
玉城氏は、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設反対の「オール沖縄」勢力の旗手としての役割を果たされてきました。
アメリカの議会に工事の困難性を示す情報を提供するなどもして、移設阻止に奮闘されています。
玉城デニー/沖縄県知事選挙の公約は?
玉城デニー氏の政策は、公式サイトの政策集のページに詳述されていますが。
次の4年間に取り組む大項目として、前述の3点及び「SDGsを柱とした新・沖縄21世紀ビジョン基本計画の推進」を挙げられています。ピックアップすると次のとおりです。
➁子ども・若者・女性支援施策のさらなる充実…社会構造メカニズムにおける貧困対策も検討。18歳から20代半ばまでの若者への支援。あらゆるステージにおける女性への支援拡充。
➂辺野古新基地建設反対・米軍基地問題…「米軍普天間基地の閉鎖・撤去。県内移設反対。」の堅持。基地の危険性は、PFOS等の環境問題の汚染源、新型コロナウイルスオミクロン株等の検疫法の抜け穴にも及び、県民の生命へ直接関わっている。
➃SDGsを柱とした新・沖縄21世紀ビジョン基本計画の推進…2022年5月、沖縄県は「新・沖縄21世紀ビジョン基本計画」を策定した。新計画の特徴は、国連が提唱するSDGsを取り入れ、社会・経済・環境の枠組みに対応する形で「誰一人取り残すことのない優しい社会」の形成、「強くしなやかな自立型経済」の構築、「持続可能な海洋島しょ圏」の形成の3つの基本方向を示すとともに、施策展開の基本的指針として「安全・安心で幸福が実感できる島」の形成を掲げた点にある。
玉城デニー/沖縄県知事選挙の立候補した理由は?
前回の沖縄県知事選挙(2002年)で、衆議院議員だった玉城デニー氏は米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設に反対した 翁長雄志(おながたけし)前知事の死去に伴う前回選に後継候補として出馬し、当選しました。
今回は再選を目指しています。
玉城デニー/沖縄県知事選挙の選挙結果は?
玉城デニー氏は、2002年の沖縄市議会議員選挙で無所属で立候補して初当選しました。
定員30名で39名が立候補した中で、初めての立候補で、得票数で2位の候補者に倍以上の差をつけてのトップ当選という快挙でした。
2005年を最初に衆議院議員選挙に沖縄3区・比例区で立候補しますが、初回は落選。次回の2009年から4回連続で当選しています。(小選挙区での当選3回。比例区での復活1回。)
2017年10月の衆議院議員選挙で当選後、2018年9月の沖縄県知事選挙に初めて立候補して、初当選しました。
米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設に反対した 翁長雄志(おながたけし)前知事の死去に伴う前回選に後継候補として出馬。革新系と保守系の一部が共闘する「オール沖縄」勢力の支援を受け、移設を推進する政府・自民党が支えた佐喜真氏を破って当選しました。
詳しくは以下のとおりです。
【沖縄市議会議員選挙】
【衆議院議員選挙 小選挙区 沖縄3区】
投票日2005年 9月11日 | 嘉数 知賢(前職)(自由民主党) 72,407票(当選) 東門 美津子(前職)(社会民主党) 51,074票(落選) 玉城 デニー(新人)(民主党) 40,819票(落選) 猪原 健(新人)(日本共産党) 6,043票(落選) |
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投票日2009年 8月30日 | 玉城 デニー(新人)(民主党) 89,266票(当選) 嘉数 知賢(前職)(自由民主党) 43,513票(落選) 新川 秀清(新人)(社会民主党) 24,911票(落選) 小渡 亨(新人)(無所属) 23,920票(落選) 金城 竜郎(新人)(幸福実現党) 1,613票(落選) |
投票日2012年12月16日 | 比嘉 奈津美(新人)(自由民主党) 68,523票(当選) 玉城 デニー(前職)(日本未来の党) 56,711票(比例復活当選) 大城 俊男(新人)(日本維新の党) 12,503票(落選) 宮里 昇(新人)(日本共産党) 10,269票(落選) 崎浜 宏信(新人)(民主党) 7,404票(落選) 金城 竜郎(新人)(幸福実現党) 1,874票(落選) |
投票日2014年12月14日 | 玉城 デニー(前職)(生活の党) 89,110票(当選) 比嘉 奈津美(前職)(自由民主党) 59,491票(比例復活当選) |
投票日2017年10月22日 | 玉城 デニー(前職)(無所属) 95,517票(当選) 金城 竜郎(新人)(幸福実現党) 3,031票(落選) |
【沖縄県知事選挙】
投票日2018年9月30日 | 玉城 デニー(新人)(無所属) 396,632票 佐喜真 淳(新人)(無所属) 316,458票 ※自由民主党、公明党、日本維新の会、希望の党 推薦 兼島 俊(新人)(無所属) 3,638票 渡口 初美(新人)(無所属) 3,482票 |
投票率 63.24% |
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玉城デニー/沖縄県知事選挙の引退の可能性は?
玉城デニー氏の引退を示唆する情報は見付かりませんでした。
まだ62歳であり、政界を引退する年齢ではありません。
普天間飛行場の県外移転の旗手であり、今回の選挙の当落に関わらず当分は現役を続行されることと思われます。
まとめ
今回の最大の争点の一つに、今や「世界一危険な基地」となってしまった普天間飛行場(基地)の移設先としての名護市辺野古新基地建設問題があります。
日本全体の米軍専用基地の7割が沖縄県に存在していて、負担を強いている事実は重い。一方で、中国が台湾進攻を始めると、間近でその影響を被るのは、他ならぬ沖縄です。
先日も中国軍が台湾を包囲して軍事演習を行った様に、日本周辺の安全保障状況は近年特に緊迫の度を増していて、玉城デニー氏に代表される沖縄の基地負担軽減の主張を続ける立場は困難になっているかと、筆者は感じていました。
けれども、少し調べてみると、自分自身、意図的な情報操作やムードに流されていたのではないかとも感じるようになりました。
まず、普天間飛行場(基地)からの移設や沖縄への基地のリスク軽減は、今回の選挙の候補者の玉城デニー氏、佐喜真淳氏、下地幹郎氏の何れにとっても一致していて既定のことであり、焦点は移設先としての名護市辺野古の是非でした。
玉城氏は反対、佐喜真氏は容認、下地氏は「追加の移設工事のみ反対。移設工事済み箇所は有効活用する。」というように分かれています。
この問題の簡単な経緯は次のとおりでした。
2004年に沖国大米軍ヘリ墜落事件が起きたことで普天間基地の返還要求は強まった。
その後、県外移設、グアムへの移設等々、二転三転し、2010年に国政で再度辺野古のキャンプ・シュワブへの移設が決定する。
沖縄県知事は辺野古移設反対だったが、2013年12月に当時の仲井眞弘多知事が、名護市辺野古の海面埋め立てを承認。その後、翁長雄志前知事が改めて反対を表明し、玉城氏がその立場を引き継いで現在に至る。
辺野古に基地移設に適さない軟弱地盤が判明したこと、それを国が隠蔽したとして、県は不信感を抱いている。
埋立によって、ジュゴンの餌場とされる辺野古周辺の豊かな海草藻場を破壊されるとの懸念があったが、建設予定地を当初案から移動することにより解決されたとの情報あり。
様々なベクトルの情報が飛び交っていて、筆者はかなり混乱しました。
まず、辺野古移転のための政府の努力を評価して反対派の論理破綻を批判する記事がありました。
辺野古移転推進派にとっては誠に有難い記事と思われますが、主張に幾つかの一理はある様にも感じられます。
ただ、反対派の示す米軍専用基地の数字をトリックと断じていること等は、嘘ではないまでも行き過ぎのようにも思われます。
防衛省自身、沖縄の基地負担を事実として認めて幾つかの対応を進めています。
空中給油機(KC-130)の岩国飛行場への移駐(防衛省・自衛隊ホームページ)
一方で、沖縄への基地集中は、現在の日本周辺の安全保障環境の緊迫に鑑みると、リスク分散上望ましくないとの記事も見付かっています。
ともあれ、現在までの情報を見る限りでは、中長期的なリスク分散についてはともかく、短期的な落としどころとしては、玉城氏と佐喜真氏の主張の中間の、下地氏の「追加の移設工事のみ反対。移設工事済み箇所は有効活用する。」が一つの最終解かも知れないと、筆者には感じられました。
しかし、そうであっても「誰にそれを決める資格があるのか?」となると、ストレートに下地氏(と佐喜真氏)とは行かないようにも思われます。
なお、玉城氏は「現時点で埋め立てられた所は計画の10%ほどに過ぎない。この段階で埋立を既成事実化することには反対である。その上で原状回復を求めても難しいというのであれば、基地ではなく平和・観光のための拠点として活用すべき。」と主張されていました。
そうすると、筆者も「既成事実化」に靡いていたことに気付きました。
このことの判断には高度な専門知識が必要で、有権者は、こういうことにこそ、知る権利を最大限に訴えて活用すべきだと感じました。
次の2つの記事にもある様に、沖縄は基地負担を半世紀かそれ以上強いられ続けてきました。
日本国政府としても、アメリカとの沖縄返還交渉時に飲まざるを得なかった密約や安全保障・外交上の理由で、全てを沖縄県民に明かせなかった事情もあるでしょうが、結果として沖縄県側から少なからず不信を抱かれていることも事実でしょう。
「賛成・反対で語れない」 辺野古20年調査、熊本教授―沖縄復帰50年
玉城氏は、犠牲を強いられてきた沖縄の立場という原則論を主張し、いきなり日本国全体から結論を強要されることを拒否して、国政側にボールを投げかけているように思われます。
また、玉城氏の主張は前任者から引き継がれているものでもあり、沖縄県民の民意を代表しているものでもあって、玉城氏の一存で引き下げられるものでは、あり得ないでしょう。
今回の選挙は、知事を替えて落としどころを決着させるか、「佐喜真氏にも下地氏にも資格なし。資格があるのは玉城氏のみ。」として玉城氏に判断を委ねるかの民意を問う場ということでしょう。
ただ、地位協定での米軍兵士の治外法権ですが。
実は、米軍だけではなく、準同盟に発展しつつあるオーストラリアの軍でも、日本国の法で裁かれることに不安があり、日本国は部分的に治外法権を認めたとの記事を見ました。直接の焦点は死刑制度の有無だったようですが。
日本が米軍を特別優遇しているとか、アメリカが日本を属国扱いしているとか、日本が舐められているとかの問題ではないように筆者には思われました。
最高裁判所や法務省が運営する日本の刑事司法が外国に信用されていないという事実が、目に見える形で突き付けられていると解せる。少なくともその蓋然性の高さは否定できないでしょう。
日本周辺の防衛に協力する外国の軍人の立場からすれば、「理不尽に拘留されたり死刑にされたりしては、たまらない。」との心情を抱いても無理もないことと思われます。
日本国政府としては、刑事司法を改革して外国の信用を得れば、少なくとも外国の軍の治外法権の撤廃に向けた歩みができる。
そのことが玉城氏や沖縄県民が求めている地位協定の改善への誠意ある一つの回答にはなるのではないかとも思われました。
「地位協定を改善すべき」であることについては、佐喜真氏も下地氏も玉城氏と同意見でしたので、両候補への回答にもなるでしょう。